最新作プロギア「RS」 その“ギリギリ”の歴史を中古で巡る
プロギア(PRGR)は6月1日に「RS DUO」を発表した。DUOのワードに期待を膨らませるギアマニアも少なくないだろう。プロギアとDUOの代名詞、“ギリギリ”の歴史を紐解きつつ、今こそ中古で手に入れるべき独自の強みを持った歴代クラブを紹介する。
プロギア「RS」ドライバーが紡いだ“ギリギリ”への挑戦の歴史
プロギアのクラブづくりは日本のゴルフ界における「初速追求」と「ルールの壁への挑戦」の歴史そのものである。ここで、DUOと聞いて昔からのギアマニアが萌える理由を説明しておきたい。
2003年に爆発的なヒットを記録した「TR 340 DUO/TR-X 370 DUO」を思い出すゴルファーも多いだろう。カーボンクラウンを世界で初めて搭載したモデルで、ジャンボ尾崎ら3兄弟も使用し10万本を超える大ヒット作となった。その高い打ち出し角、低スピンを保ちつつ、ボール初速のアップに取り組んだのが「RS」シリーズだ。
2014年に発売された「iD nabla RS」がシリーズの原点。当時の競技志向プレーヤー(Real Sports)向けの尖った性能は、現在のブランドの礎となった。市場の評価を不動のものとしたのは、2016年のフルモデルチェンジである。ここで独自の「Wクラウン構造」を初搭載し、反発係数(COR)がSLEルールの適合条件の限界に到達。その圧倒的なボール初速はツアーでも好評だった。
自主回収→神対応
しかし同年12月、ギリギリの反発性能ゆえに「RS-F」の一部の商品が限界値を超え、ルール認定を取り消されるという事件が発生した。その際、市場流通品を全品回収、中古クラブを買いあげ、RS-Fを購入したユーザーにRS-Fのプロトタイプと交換という神対応も話題となり、評判が高まった。
プロギアはその後、ルールを守る!という大義のもと、2017年モデルは、正真正銘の適合限界を保証するために「ヘッド全数検査」という異例の工程を導入。以降も、4点集中設計で初速エリアを拡大した「RS」(2022年)や、スピン量の最適化でキャリーを伸ばした「RS JUST」(2022年)、大ヒットした初代DUO(TR、TRX DUO)で築いたカーボンの先駆者の名前を捨て「RS X」(2024年)ではフルチタンに戻すなど、常に時代の最先端を行く初速性能をゴルファーに提供し続けてきた。
どのモデルも中古でのコスパは非常に高い。
今回発売となる「RS DUO」は、フェースにチタンとカーボンをベースに4層としてギリギリ+高初速エリアを限界まで広げた。
今こそ中古で狙う RS傑作3選
2016年12月、「RS-F」がルール不適合となった際、代替クラブとして用意されたのが「RS-Fプロト」(2017年)だ。契約外のプロがこぞって使用したプロトタイプに交換されるので、所有した一般のゴルファーは“わらしべ長者”になった気分だっただろう。飛距離性能はRS-Fに劣らず、プロトタイプ特有の扱いにくさもない。10年近く経過しているが今でも現役の性能だ。相場は1万円前後、状態によってはそれ以下で見つかることも多い。ストーリーがある逸品だけに、筆者も美品を手に入れたいと思っている。
初心者からアベレージにオススメしたいのが「RS E」(2019年)だ。RSという名が付いているが、慣性モーメントが大きく、ミスヒットに強い。構えやすい形状で、1万円前後というコスパの良さも魅力。可変スリーブではない点が残念だが、オススメできる。
「RS X」(2024年)はフルチタンに戻し、剛性感がある打感が魅力。RSシリーズのスタンダードモデルは、アスリート向けながらボールが捕まりやすいという特性がある。ヘッドスピードは速いけれど、スライス系のミスに悩むゴルファーにオススメしたい。2万円台前半から見つかるだろう。
プロギアのRSシリーズは流行りに乗るのではなく、ルールの壁に挑み続けてきた明確な足跡がある。各世代のクラブに妥協のないテクノロジーが刻まれているからこそ、型落ちとなっても、独自の強みを持った名器として中古市場で長く評価され続けるのである。
最新作「RS DUO」は昨年からプロトタイプが国内男子ツアーで話題となっている。最新作の登場で周囲が沸き立つ今、あえて歴代の傑作たちに目を向けることは、ギアマニアにとって極めて合理的な選択と言える。まずは12年続く“ギリギリ”を中古で味わってもらいたい。(文・田島基晴)
田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。