「G400、BRNR、APEX UW…」ギアマニアが考える“価格が落ちない中古リスト”そのナゼを解き明かす

「G400、M2、APEX UW…」ギアマニアが考える“価格が落ちない中古リスト”そのナゼを解き明かす
左からG400MAX、BRNR Mini、APEX UW。いずれも中古価格が落ちない

中古ショップのクラブ売り場を熱心にチェックしているゴルファーなら、ある不思議な現象に気づいているはずだ。通常、ゴルフクラブは新モデルが登場すると、前作の中古相場は3~4割ほど下落する。しかし、ひと昔前のモデルにもかかわらず、高値をキープし続けるクラブが存在する。発売当時はそれほど注目されなかったモノが、今では中古市場で争奪戦になっているケースも珍しくない。安くならない中古クラブをシリーズごとに紐解こう。

いつまでも現役 価格が落ちない人気モデル

ピン「G400 ドライバー
中古市場で最も値崩れしにくいドライバーの筆頭といえば、やはりピンのMAXモデルだろう。2018年発売の「G400 MAX」は、後継シリーズ登場後も価格が下がらない。後継の「G425 MAX」とも遜色ない価格で推移している。MAX以外のG400はどれもヘッド体積が445ccと小さい。投影面積が大きいものに苦手意識があるゴルファーに刺さる。特にLSモデルを好む層にとっては魅力的だ。

「G400、M2、APEX UW…」ギアマニアが考える“価格が落ちない中古リスト”そのナゼを解き明かす
G400シリーズ以前と現行ピンのヘッドのスリーブは互換性がないので要注意

テーラーメイド「M2 ドライバー(2017年)
テーラーメイドの歴代モデルの中でも値下がり幅が小さい2017年モデルの「M2 ドライバー」はしっかりした剛性感のある打感が味わえる。慣性モーメントと重心位置のバランスがよく、発売当初はエントリーモデルだったが、9年後の今では操作性、飛距離性能、打感がアスリート層にマッチしている。とはいえ、最新モデルから乗り換えるべきかと言えばそうでもない。

テーラーメイド「BRNR MINI ドライバー」、キャロウェイ「パラダイム Aiスモーク Ti 340 MINI ドライバー
ティショットの安定感を求める層から支持されるミニドライバーは、同じ年式のドライバーに比べ2、3割高い価格で推移している。ミニドライバー創世記は、販売店や数量が限定されていたが、現在はレディースモデルなども登場している。筆者は「パラダイム Aiスモーク Ti 340 MINI ドライバー」のスリーブはドライバー用と同じで、隠れた名器だと思っている。

キャロウェイ「APEX UW」(2022年)
新品時に市場に出回る数が少なかったこともあり、初代は「APEX UW」の価格が下がらないまま現在までに3代目が発売された。筆者は2代目3代目と扱いやすさが向上していると感じたが、初代の人気が根強い。石川遼ザンダー・シャウフェレといった有名プロが愛用しているからではないかと推測する。ヘッドはFWとウッド型UTとの中間の大きさ。UTよりもつかまりを抑え、操作性を重視している点がおもしろい。

モデルやシリーズだけじゃない 特別仕様や人気の“番手”もチェック

「G400、M2、APEX UW…」ギアマニアが考える“価格が落ちない中古リスト”そのナゼを解き明かす
人気の高い「クアンタムトリプルダイヤMAX」

限定プロトタイプ ツアー仕様ヘッド

キャロウェイには「エクスクルーシブ」モデルとして、限定販売店と自社のオンラインサイトだけで展開するクラブがある。中古ではなかなか値段が下がらないため、高値で売れることを期待して新品を手に入れるユーザーもいた。ただし、最新作「クアンタム」は限定品が減っている。

ショートウッドや数が少ない番手

かつては新品でも売れ残ったような番手が、セッティングトレンドの変化によって近年は需要が高まった番手がある。まずは7Wや9Wといったショートウッド。以前はシニアやレディース向けというイメージを持たれがちだったが、男女ツアープロがロングアイアンやUTの代わりに使用するようになった。

高弾道でグリーンに止められるのが魅力。ピンやテーラーメイド、キャロウェイの7Wや9Wは中古ショップでは入荷した瞬間に売れていくほどの品薄状態が続いている。インターネットオークションやフリマサイトでは、番手によって明確な価格差がついており、同じモデルの3Wや5Wよりも数千円から1万円近く高い相場がつくことも珍しくない。

「G400、M2、APEX UW…」ギアマニアが考える“価格が落ちない中古リスト”そのナゼを解き明かす
4W(3HL)7W、9Wなどは希少。中古ショップだけでなくオークション、フリマサイトでは顕著に価格差がつく

3Wの代わりに、4Wや3HL(High Launch /ロフト 16.5~17度)の人気も高まっている。通常の3Wでは地面から球が上がらないという一般アマチュアのリアルな悩みに応える番手だ。ボールの進化も一因だろう。米国モデルにはかなり前からラインアップされていたが、いよいよ日本でも広がりを見せている。米ツアーで使用率の高いテーラーメイドの「Qi10」、「Qi35」等の3HL、7Wなどは希少で、中古品が新品のアウトレット品とほぼ変わらない価格で売られている。

中古市場で価格が落ちないクラブに共通するのは、新品時に数が少ないこと、他のモデルにはない魅力が詰まっていることに尽きる。そんな魅力もよくよく考えると意外と小さなこだわりから生まれていたりする。割高感があっても、ギアに対する真剣な思いが伝わるからこそ輝いて見える中古クラブもある。価格はいったん度外視して、名器を探すのも楽しい。(文・田島基晴)

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田島基晴 プロフィール

1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。

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