打ってみると？

試打クラブはロフト角9.5度。シャフトは純正装着される「Miyazaki Mahana（マハナ）」のSフレックス。ワッグルしてみると中間から先端にかけてしなる。

シャフトに合わせ、ややヘッドスピードを落として打ってみた。「シュパーン」と弾き感が強い金属音とともに、ボールはドロー弾道を描いた。

カーボンクラウンを装着しているが、インパクト音は爽快。カーボンの編み目が見えていなかったらチタンドライバーと言われても何の疑いも持たないだろう。インパクトの手応え、打球音、スイートエリアの広さは「ゼクシオ」に似ている。

続けてヘッドスピードを上げて3発ほど打ったが、いずれも軽いドロー弾道。歴代「スリクソン」と比べると、明らかにつかまりが良くなっている。この点も「ゼクシオ」に似ており、インパクトゾーンではイメージ通りにヘッドが返る。大型ヘッドにありがちなつかまりの悪さ、ヘッドの返りづらさを感じさせない。

スピン量に関しては多過ぎず、少な過ぎず。低スピン弾道がオートマチックに打てるというよりは、適度なスピンが入って、キャリーが出やすい。いい感じでとらえると、打ち出し角は12度前後で、スピン量は2600～2900回転。前作「Z565」と比べてみると、ややスピン量が増えている。

純正装着される「Miyazaki Mahana」は、手元がしっかりしていて中間部分がしなる中調子。シャフトの挙動は穏やかで、ダウンからインパクトにかけては、しなった分だけしなり戻る。先端側のしなりもやや多めなので、シャフトでもつかまる球が打ちやすくなっている。

ヘッド形状とデザインが一新された「スリクソン Z585」。見た目だけでなく、インパクトの手応え、つかまり、ボールの飛び方もガラッと変わった。「スリクソン」のロゴが入っているが、打ってみると極めて「ゼクシオ」的な設計がなされている。

ゼクシオよりもクラブ重量が少し重く、シャフトも少しだけしっかりしている。「ゼクシオ」を使いたいけど、少し物足りなさを感じるゴルファーにとっては、非常に満足度が高いドライバーである。