「ハイハイ、ハイハイ(Hi)、うるさいなぁ」と思っていたアナタに「低MOI」ドライバーをギアマニアが中古厳選
最近のドライバー市場は、「大慣性モーメント・深重心でなければドライバーにあらず」と言わんばかり。しかし、こういったクラブに馴染めないゴルファーも多い。球筋を操りたい人、“やさしさMAX”がどうも合わない人に、おススメの中古モデルを紹介したい。
高慣性モーメントモデルは人気だが…
ヘッドの慣性モーメント(MOI)が左右上下を加えて1万(10K)に達するようなモデルは、芯を外してもヘッドがブレず、曲がりを最小限に抑えられるのが特長だ。寛容性が高い一方で、ドロー、フェードと球を操りたいゴルファーにとっては、大きすぎるMOIは邪魔な存在と言える。
そもそも、操作性が高いクラブは球を曲げて攻める上級者向けと思われがちだが、実はそうとも限らない。特にヘッドスピードがさほど速くなくても、低MOIのドライバーは、ゴルフ歴が長いベテランゴルファーにハマるパターンもある。
ミニドライバーがベテランに好まれる理由
パーシモンや小ぶりなメタルヘッドで腕を磨き、手首の返しや腕のローテーションでボールをつかまえてきたゴルファーにとって、重心が深くて遠い現代の大型ヘッドは相性が悪い。ダウンスイングでヘッド後方の重さに引っ張られ、フェースが開いたままインパクトを迎えて右へ滑ってしまう。
近年、300cc前後の「ミニドライバー」がシニアツアーやベテランゴルファーの間でひそかに人気が高い理由はここにある。自分の力加減やフェースターンで球をつかまえたい人にとっては、高MOIモデルよりもミート率が上がり、結果的に方向性も飛距離も安定するのである。ヘッドが大型化してドライバーが苦手になったゴルファーには、浅重心でMOIが抑えられた、つまりミニドライバーと同じ特性を持つロースピン(LS)モデルも勧めたい。
操作性重視のクラブを見つける3つの条件
中古ショップでこの手のヘッドを探す際、以下の3つのスペック傾向を押さえておきたい。
1.重心距離が短い(38mm前後以下)/ネック軸周りの慣性モーメントが小さく、フェースの開閉コントロールがしやすい。
2.重心深度が浅い(36mm前後以下)/インパクトでのギア効果による過剰なバックスピンを防ぎ、低スピンの強い弾道と高低の打ち分けを可能にする。
3.左右MOIが4000~4500g・cm2の低スピン設計/ヘッドが勝手に直進しようとする力を適度に抑え、プレーヤーの意図したインパクトアングルを再現できる。
筆者おススメ! 中古で狙う低MOIモデル4選
1.テーラーメイド Qi35 LS(中古価格3万台後半から)
予算があればQi4D LSを挙げたいところだが、中古市場ではまだ見かけることが少ない。Qi35 LSは価格もこなれてきて、コスパの高さも際立つ。“LS度合い”も高すぎず、ロースピンモデルにちょっと抵抗があるゴルファーにおススメしたい。
2.ブリヂストン BX1 ST(中古価格4万台後半から)
桑木志帆が「AIG女子オープン(全英女子)」を制した時に使用していたのはBX1 LS。用意されているロフト角は9度だけで、使いこなすにはアッパー軌道で打てるか、もしくはある程度のヘッドスピードが必要だ。BX1 STは10.5度が用意されており打ち出し角が稼げる。重心距離・深度ともにコンパクトな設計。左へのミスを消しながら、アイアンのようにフェースターンを使って強いライナーを打ち出したいゴルファーにうってつけだ。
3.キャロウェイ ELYTE ◆◆◆(中古価格3万台前半から)
伝統的な450ccクラスの洋ナシ形状ディープフェースを採用した、ツアープロ向けヘッド。前後に配置されたウエートにより浅重心化が徹底され、吹け上がりを嫌うハードヒッターはもちろん、意図して高さを抑えたフェードやドローを打ち分けたいテクニシャンに愛される。新品時、最終処分価格が安かったため、中古でもコスパが優れている点もおススメポイントだ。
4.コブラ AEROJET LS(中古価格1万台前半から)
筆者が購入したLSドライバーで最も難しかった。芯に当たれば、確かに“過去イチ”飛んだのだが、なかなかボールが上がらなかった。天国と地獄を味わわせてくれたモデル。現在のOPTM LSや、DS-ADAPT LSは、扱いやすさが劇的に向上している。
フェースのどこにボールが当たっても結果が伴う高MOIクラブは、確かに魅力だ。しかし、芯に当てにくいと感じるゴルファーもいる。クラブが勝手にボールをまっすぐ飛ばしてくれる時代だからこそ、自分のスイング感覚とフェースの向きが連動するドライバーの価値は色あせない。
「最近のドライバーはどうも振り遅れる」「手首を返して球をつかまえたいのに右へ抜ける」と感じることがあれば、無理に最新クラブだけを追う必要はない。中古市場に並ぶ浅重心・適度なMOIのLSモデルを手に取り、自分の意志で弾道を操るゴルフのおもしろさを再発見してみてほしい。(文・田島基晴)
田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。